白髪染めの色選びをサポート! 失敗しない色の選び方を研究員が解説​

白髪染めを購入するとき、カラーバリエーションの豊富さに驚いたことはありませんか? 初心者だと白髪染め=黒とのイメージを持つ人がいるかもしれませんが、実はアッシュ系や透け感などトレンドを意識した髪色を楽しむことも可能です。
でも色が豊富だからこそ、「自分に似合う色がわからない…」と悩む人も多いようです。

そこで今回はへアカラーメーカーのホーユー研究員・小林 紗也さんに失敗しない白髪染めの色選びのポイントについて伺いました。

白髪染めの色の選び方

白髪染めの色の選び方

白髪染めをする際、多くの人が色選びに悩んでいるようです。色は、基本的にどのように選べばいいでしょうか?

小林さん
色を選ぶ際には、ご自身の現在の白髪量となりたい色のバランスが大切です。
なりたい髪色が明るめの場合、白髪量が少ない人は黒髪が多いので明るい色を選んだほうがいいでしょう。

逆に白髪量が多い人は明るめの色を選んでしまうと染まりにくい場合があり、“白髪を染める”ということを重視するのであれば多少濃いめの色を選んだほうがいいと思います。

つまり同じ製品でも、白髪の多い人と少ない人とでは仕上がりが異なるのですか?

小林さん
はい、異なります。同じ白髪染めで染めても、白髪の量によって仕上がりが違ってくるんですよ。

弊社の場合、店頭にある白髪染め用の毛見本は、実は白髪量が30%の人を想定しています。

「白髪量が30%の人ならこんな色に染まりますよ」というガイドになっているんです。下の写真も参考にしていただきたいのですが、白髪量が多いほど、同じ色でも染め上がりの色が明るくなっています。
逆に白髪が少ない人は濃く仕上がるということがおわかりいただけると思います。

白髪の量別の染まり具合の違い

白髪の量別の染まり具合の違い

白髪染めの色選びの注意点

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初めて白髪染めをする場合は、明るめの色と暗めの色ではどちらを選んだほうがいいですか?

小林さん
初めて白髪染めを使用される方には、ご希望の色より一段階明るめの色をおすすめしています。

白髪染めで明るく染まった髪を暗くすることは簡単なのですが、暗く染まりすぎた髪を、すぐに明るく染め直すことは難しいからです。色選びで迷ったら、明るめを選ぶと安心です。

染まりやすい髪質、染まりにくい髪質もあると聞きました。自分で確認する方法を教えてください。

小林さん
一般的に髪が細い人、パーマがかかりやすい人、髪質がやわらかい人、地毛の色が薄い人は染まりやすい傾向にあるといわれています。反対に、髪が太い人、パーマがかかりにくい人、髪質が硬い人、地毛の色(黒髪の部分)が濃い人は染まりにくい傾向にあります。

ライフスタイルによって、おすすめの白髪染めの色は変わるのでしょうか?

小林さん
はい。光によって髪色の見え方が変わってきますので、おすすめの色も変わってきます。蛍光灯の光の下では、蛍光灯と同じ様な色味を持っているアッシュ系などが、より光とマッチしてきれいに見えます。

最近はおうち時間も長くなっていますが、家の中と外の光では、違った見え方がするヘアカラーもあります。2つの表情を楽しめるヘアカラーで、髪色のおしゃれを楽しむのもおすすめです。

また、屋外で過ごす時間が長い方は、太陽の光が髪にふりそそぐので少し暗めのブラウンにしてもツヤっぽく、きれいに見えます。

この他、パーソナルカラーを参考に髪色を選ぶのもおすすめです。

白髪量が少ない場合、色選びで特に注意する点はありますか?

小林さん
髪が硬い・太い・多い人はメラニン色素の量が多いので、赤みが出る傾向にあります。このため、レッド系やオレンジ系が似合う人が多いようです。また、髪が柔らかい・細い・少ない人は、メラニン色素の量が少ないので黄みが出やすい傾向にあるので、ゴールド系やアッシュ系が似合う色と言えます。

サロンで染めた白髪を、セルフでリタッチする時の注意点

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根元のリタッチなどは、どんな基準で色を選べばいいですか?

小林さん
リタッチする時は、前回の染毛の色と合わせるのがいいと思います。

たとえば市販品の5番で染めていた場合、1~2か月くらいであればそれほど褪色していないはずなので、同じ5番を使うのがいいでしょう。

褪色が進んでいてご自分でも気になっている場合は、ひとつ明るい色にするのも手です。

前回はサロンで白髪染めをし、白髪染めの番号がわからない場合はどうすればよいですか?

小林さん
その場合は、店頭の毛見本をチェックしていただき、今の自分の髪色とマッチしているものを選ぶようにしてください。

美容室で使われている白髪染めの明度と市販品の明度表示は異なっていると聞いたのですが?

小林さん
はい。hoyuの場合は、市販品とサロン商品で明度表示が逆になっています。

サロン(美容室)用の白髪染めでの場合、明度が20スケール(段階)に分かれています。1番濃い色が1で黒。20が白に近い色になります。

対して市販品のほうは、番号が小さい方が明るく、大きい方が暗い色を指しています。つまり2のほうが6よりも明るい色になるわけです。

実は、明度表示はサロン品も市販品も、メーカーによって表示が異なっています。白髪染めを購入する際は注意して確認してくださいね。

サロン品の明度
サロン品の明度
市販品の明度 (いずれもhoyuの場合)
市販品の明度 (いずれもhoyuの場合)

つまり美容師さんに白髪染めの番号を教えてもらっても、その番号の市販品を買えばいいというわけではないのですね。

小林さん
はい、その通りです。また、弊社の白髪染めの7番と他社の製品の7番では色みが違うこともありますので気をつけるようにしてください。

美容室でアッシュや透け感などの言葉を耳にしますが、実はきちんと把握していない方も多いようです。美容師さんに好みの色を伝えられるように、それぞれどんな色なのかをお教えいただけますか?

小林さん
まず「アッシュ系」についてご説明します。色としては灰色なのですが、実際に灰色に染まるわけではなく、元の髪色(暖色系)をくすませる色(寒色系)を使い、染め上がりの髪色の赤みを抑えるように設計されています。クールでスタイリッシュなイメージに仕上がります。

続いて「マット系」について。色としては緑色なのですが、実際に緑色に染まるわけではなく、アッシュと同じでくすませる色になります。
ちなみに、やはりよく耳にする「くすみカラー」とは、今述べた「アッシュ系」や「マット系」を指します。

そして「透け感」という言葉ですが、これは日の光を浴びたときに、透明感のある色になることを指します。オフィスや学校等の室内では落ち着いた色で、外では明るい色になりたい方におすすめです。

白髪染めが上手くいかない原因は?

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最後に、自分で白髪染めをした後、イメージしていた髪色にならなかった場合、どんな原因が考えられますか?

小林さん
3つの原因が考えられます。

まず、1つ目は塗布量が少ない可能性が考えられます。白髪染めの量が少ないと、髪が目的の色に染まらないことがあるんですよ。白髪染めをする際は、自分の髪が透けて見えないくらいたっぷりと均一に塗るのがポイントです。

2つ目は放置時間が短い可能性があります。時間がなかったり、白髪染めを開始してから手元に時計がないことに気づいたりして、説明書に書いてあるよりも放置時間を短縮してしまう方もいるようです。
キレイな髪色のためには説明書通りの放置時間を守ってくださいね。

3つ目は温度の問題です。白髪染めは室温が低いと反応が遅くなり、染まりにくくなるんですよ。
特に寒い季節は注意が必要です。塗る際は洗面所などでもOKですが、放置時間中はリビングに戻るなど、20~25度の適温で過ごすようにしてください。

まとめ

キレイに髪を染めるためには、自分の白髪の量を把握したり、髪質を知っておくことが大事なんですね。

自分の髪の状態がわかったら、ライフスタイルやなりたいイメージに合わせて白髪染めの色をチョイス!
店頭の見本も参考にして、色選びを楽しんでくださいね。

小林 紗也さん
ホーユー株式会社 総合研究所 製品開発第一研究室 研究員

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小林 紗也さん

ホーユー株式会社 総合研究所
製品開発第一研究室 研究員