忙しく美容室へ行く時間がない人や白髪がすぐに気になってしまう人の強い味方・セルフカラー。
低コストで手軽に行えるメリットがある反面、しっかり染まらないのでは、ムラになりそう、といった不安を覚える人もいるのではないでしょうか。
今回は不器用さんでも失敗しないセルフカラーのコツを、美容師の橋口さんにご紹介いただきました。
事前準備チェックリスト
カラー剤を髪につけた時点から化学反応が始まるので、セルフカラーはスピーディーに行うことが大切です。カラーを始めてから準備不足で慌てないように、事前準備はしっかり行いましょう。
- ・セルフカラー剤(鎖骨より長い人は2箱)
- ・前開きの服
- ・汚れてもいいフェイスタオル2枚
- ・ヘアゴムかくちばしピン
- ・イヤーキャップ
- ・濡れコットン(カラー剤が皮膚についたときに拭き取るため)
- ・保護オイル(ワセリン・ホホバオイル)
- ・タイマー
- ・ブラシ(髪を梳かす・ブロッキングするため)
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上手に染めるためのコツ
セルフカラーで上手く仕上げるためには、カラー前の「準備」とカラー中の「手順」の2つが大きく影響してきます。
ファッションカラー(黒髪を明るくするカラー)と白髪染めではやや手順が変わるポイントもあるので併せて紹介します。
カラー剤は自分の髪に合ったタイプを選ぶ
カラー剤の選び方も重要です。セルフカラーにはいくつかの剤型がありますが、ここでは代表的な泡タイプとクリームタイプについて紹介します。
泡タイプ
泡タイプは、名前の通りカラー剤が泡で出てきます。
片手でプッシュするだけで泡が出てくるものもあるので、あらかじめ液やクリームを混ぜる必要がなく手間がかかりません。
また、ブロッキングを行ったりくしやハケなどを使ったりする工程がないので、テクニック要らずで簡単に使えるのが最大の魅力です。
クリームタイプ
クリームタイプは、美容室で使われるカラー剤と同じ粘度のある形状です。
根元と毛先の塗り分けがしやすい、垂れにくく狙ったところにしっかりカラー剤を乗せられる、伸びてきた根元の白髪が染めやすいことが魅力です。
泡タイプと比べて塗布が難しいといったデメリットはありますが、サロンでするようなリタッチカラーがやりやすく、セルフカラー初心者の方には、サロンに行けないときの部分染めとして使うのがおすすめです。
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6つに分けてブロッキングする
ヘアカラーは染まりづらい箇所から塗布するため、工程のなかでブロッキングが最重要。また、髪が絡まった状態でカラー剤を塗布すると摩擦による刺激で髪が傷んだり枝毛になったりするなどダメージの原因につながるため、必ず髪をブラッシングしてからブロッキングしましょう。
クリップでブロッキングすれば、髪の長い方でもブロックごとの移動もスムーズです。髪を前後・上下で、だいたい6ブロックくらいに分けましょう。
前頭部
センターで半分に分け、頭頂部から耳にかけての髪をすくいとります。そのまま、毛先を上に向けるようにして、クリップで留めましょう。
サイド
こめかみのあたりから後頭部の中心まで髪をすくいとり、クリップで留めましょう。
えり足
えり足部分の髪もクリップで留めることをお忘れなく。
生え際に保護剤を塗布する
カラー剤が皮膚に付くと肌が染まるだけでなく、皮膚を刺激しアレルギーを引き起こす可能性があります。
アレルギーリスクを回避するために、必ず顔まわり・えり足・耳まわりなどカラー剤が付着しやすい部位にはワセリンを塗布して保護するようにしましょう。
また、カラー時に頭皮がピリピリしたり違和感がある人は頭皮への保護も大切です。
頭皮の保護には、カラーの染まり上がりに影響がないホホバオイルやコールドクリームがおすすめです。
カラーを塗る際は、後頭部から塗布する
髪は部位によって太さや硬さが変わるので、髪が太く染まりづらいところからカラー剤を塗布することが大切。
ファッションカラーの場合、髪が明るくなりづらいえり足から塗布していきましょう。
白髪染めの場合は、ファッションカラーと違い、特に白髪が気になる部分から薬剤を塗り始めることが重要です。
白髪染めの商品タイプ別の使い方はこちらをご確認ください。
>はじめて染める方へ (初めてのヘアカラー 上手に髪を染める手順と基礎知識)
ステップ1:えり足、後頭部
まずは髪を上へ持ち上げふち取るようにえり足の髪へ塗布します。すでに染まっている髪にカラー剤が付くとダメージが進むので、なるべく新しく生えてきた部分にだけ付けるイメージで行ってください。
えり足の塗布が終わったら1センチごとに横にすくい取り、上へ向かって耳の後ろ、後頭部へ塗り進めていきます。
ステップ2:トップ、サイド
うしろの塗布が終わったらトップ、サイドに移ります。
サイドは髪が細いことから明るくなりやすいので、スピーディーな塗布を意識して行いましょう。
手順は後頭部同様、下から上へ向かって塗布していきます。
ステップ3:毛先
根元の塗布が済んだら、毛先の塗布に移ります。毛先のカラー剤塗布も、後頭部の毛先から始めていきます。
このとき色ムラとダメージを軽減するために、カラー剤の塗布量はたっぷり塗布しカラー剤が付いた髪を何度もコーミングしないよう注意しましょう。
放置時間は必ず守る
塗布が終わったらメーカーが指定する時間を守って放置しましょう。
カラーの放置時間を「長く置けば置くほど明るくなる」と思っている人も多いようですが間違いです。放置時間を長く置いたところで、髪が明るくなったり、よりキレイな色に染まったりすることはありません。むしろ色味成分が破壊され濁ったような色味になる可能性が高く、セルフカラー失敗の原因に繋がります。
また放置中に、部屋が乾燥している・空調の風が当たりやすい場合、カラー剤が乾燥して化学反応が鈍くなるのを防ぐために髪にラップを巻いて置くことをおすすめします。
アフターケアも忘れずに
カラーによりアルカリ性に偏った髪は弱酸性に戻るまで1週間程度かかります。
この間だけでも、セルフカラー後はトリートメントなどのヘアケアをいつも以上に意識して行いましょう。
セルフカラー後一週間は意識したいこと
- ・ヘアカラー用のシャンプーを使う
- ・洗い流さないトリートメントでダメージ補修をする
- ・お風呂上りにタオルドライを丁寧に行う
- ・お風呂上がりに髪を根元から乾かす
セルフカラーは慣れるまで難しいと感じる点もありますが、成功のコツを知った上で行えば安心ですね。
この記事を参考にぜひセルフカラーを試してみてくださいね。
監修
橋口美月さん
美容専門学校卒業後、美容師・ネイル・メイク・まつげパーマなど、美容業務全般に携わる。現在では美容師業のみに専念し、髪質の変化を感じ悩みが増える40〜50代の大人女性を担当する。悩みに寄り添う誠実な姿に定評があり、リピート率は80%以上。
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【出典】Fast&Slow 、CG-BOX / PIXTA(ピクスタ)