ファッションは、時代や音楽、社会情勢などいろいろなものに影響を受けています。最近よく耳にするフェアトレードファッションやヴィーガンファッションとは、今の時代に何がマッチしているのでしょう。
今回は、ヴィーガンファッションやサステナブルファッションなど、流行のファッション用語についてお話しします。
変わるファッション用語、いくつわかる?
ファッションは時代を映す鏡と言われます。しばらくシンプルな着こなしやナチュラル志向が続いていますが、それでもエフォートレス、ノームコア、ロハスファッション、エコファッションなどファッション用語が次々と出てきて、ちょっと戸惑うことも。
食品や環境・エコなど暮らしの中でよく耳にするサステナブルやヴィーガンは、最近はナチュラル素材のおしゃれを楽しむファッションシーンでも、注目を集めていますよね。
自然派志向や環境に優しい取り組みなど、何となくわかっているような気はするけれど、今ひとつ違いがよくわからないという人もいるのでは?
いまさら聞けない意味の違いを再確認してみましょう。
サステナブル、エシカル、ヴィーガン、違いは何?
では、最近よく耳にするサステナブル、エシカル、ヴィーガンはどんな違いがあるのでしょうか?
サステナブルファッション
サステナブルファッションとは、環境に配慮した生産方法で作られている・動物愛護に基づく素材で作られている・生産に携わる人びとが安全かつ公正な待遇で働けている、など環境や人、動物に優しい方法で作られた衣服を身にまとうファッションスタイル。
持続可能な〜という意味を持つサスティナブルですが、最近では繰り替えし使えるエコバッグなどがサスティナブルファッションにあたります。
自然環境や生産者の健康に悪影響を与えないオーガニック素材や、再生可能なリサイクル素材、動物性のレザーやファーの代わりにフェイク素材を用いているのが特徴です。
長く着られる良質なものを選んで購入し大切に着たり、要らなくなったものはゴミにせずリメイクしたり、セカンドハンドの服をリユースで購入したりすることもサステナブルと言えます。
エシカルファッション
エシカルファッションのエシカルは、英語の「ethical」からきており「倫理的な」という意味を持ちます。
衣服に使用される素材作りにおいて、土壌や水など地球環境を破壊する生産方法を用いない、素材から製品化までの間にかかわる人びとを不当な労働環境や賃金で働かせないなど、良識に基づいたフェアな関係で作られている衣服を身にまとうファッションスタイルです。
サステナブル同様に動物の権利や福祉に配慮し、動物性素材を使用しないアニマルフリーでもあり、環境・人・動物がそれぞれ対等でありWin-Winの関係でいられることを目指す優しいファッションと言えるかもしれませんね。
フェアトレード
「フェアトレード」とは、発展途上国の生産者や労働者が不当に搾取されないように「公平な取り引き」を行い、互いに安定した生産性と生活向上を目指そうという取り組みです。
手助けや援助のような一過性のものではない持続した取り引きにより、自然環境保護・労働者の生活と地位向上・高品質の製品生産の循環が成り立ちます。
フェアトレードはサステナブルファッション・エシカルファッションの中で重要な概念に位置づけられます。
ヴィーガンファッション
動物由来の食物を食べないヴィーガンの考え方同様、衣類やファッション小物に革・ウール・羽毛などのような動物性の素材を使用しないファッションスタイル。
オーガニックコットンをはじめ、木材パルプから作られる繊維であるリヨセルやモダールなど、生分解可能な素材を用いた服作りが特徴です。
最近はパイナップルの葉やコルクなどから作られる生分解可能なヴィーガンレザーも登場しており、より環境に配慮されたアイテム作りがなされています。
「サステナブル」「エシカル」「ヴィーガン」すべてに共通しているのは、環境に配慮した優しい素材を使用している点と、アニマルフリーという点。
そして「サステナブル」「エシカル」にはさらにフェアトレードが加わり、『ファッションに関する消費や行動を通して、環境保護や社会貢献を行おう』という共通した考え方がうかがえます。
大量生産大量消費、着用期間が短く使い捨て感覚のファストファッションなどとは対局にある、新しいファッションスタイルということですね。
すぐに捨てない、繰り返し使える、が地球にも人にも優しい
洗剤や化粧品の詰め替えや、余ったら次回もまた使えるヘアカラーなどを積極的に選ぶようにするとゴミを減らせますね。今は洗剤の量り売りなどもあるので、そういったものを使うと、詰め替え用のゴミも減らせます。
好きなものを長く大切に使うのはごく自然なことですし、丁寧な暮らしができて、豊かな気持ちにもなれそうな気がしますよね。
ひとつ注意したいのは、ナチュラルテイストの服はちょっと気を抜くと老け見えする場合があること。メイクや髪、手足の乾燥などにも気を配って、大人のおしゃれを楽しみましょう。